NPO法人地域福祉サポートちた
知多地域の特性と見学のポイント・案内
案内人:地域福祉サポートちた 代表理事 市野恵
ポイント:福祉を起点としたまちづくりへと発展した背景と特長
温暖な気候に恵まれた知多地域の生業は、農業や漁業、窯業、醸造業、木綿などの繊維業を中心に栄えていましたが、1960年代に完備された愛知用水により工業化が進み、全国各地から多くの単身者が流入し、この地域を支えていくことになります。
東海市で家事援助ボランティア活動を始めた男性も宮城県からの転入者でした。製鉄会社に勤める彼は、1985年に定年退職を迎えますが、その前後8年間は、入退院を繰り返す妻の介護と家事、子育てを一人で背負います。妻の他界後にこの経験を生かそうと、1990年受講した在宅介護者養成講座の修了生とともに在宅介護・家事援助の会を設立しました。
「困った時はお互いさま」を合言葉に無償ボランティアとして始まったこの活動は、各市町のボランティア団体へと広がりました。
ネットワークの基となる団体間の情報交換はやがて、市民互助型有償サービスとして日々の暮らしを支える事業として更なる組織化にむけて発展していきます。この時のポイントは、地域の課題に対して自ら連帯しながら地域で解決しようとする「市民力」を仲間とともに育み、助け合うことを目的とした市民活動として位置づけたことにより、今も、その志を次世代へと受け継ぐため、時代の波にもまれながらも試行錯誤の毎日を送っています。
NPO法人地域福祉サポートちた(以下、サポちた)は、尾張丘陵から南に伸びる知多半島を中心に、0歳から100歳の誰もが望んでいる地域で自分らしく、心豊かに生き、幸せに暮らしていける地域づくりを理念に掲げた福祉系NPOの活動が集まり、交差する地点としてのプラットフォーム機能を提供しています。それゆえに、知多半島の地域福祉のネットワークの総称として用いられています。現在は半島内39、半島外17、計56団体が活動しています。(※2020年6月1日現在)
「自分が望む地域で、私らしく幸せに暮らしたい」を実現可能にするために、福祉の視点を持つ人材育成機能を持った組織継続が必要とされるサポちたは、自主事業として福祉資格講座やNPO現場視察研修、マネジメントセミナーなど中心に事業展開しています。また
福祉系NPOの各団体の長が理事を務め、常に在宅支援現場の実情を政策や教育分野への提言をはじめ、各分野との連携・協働に努めています。学生とともに考え、話し合いを重ねています。
●公式ホームページ
https://sunnyday-cfsc.ssl-lolipop.jp/