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【報告】2024年度の市民活動のおしゃべりルーム

◆市民活動のおしゃべりルームとは
 これまでのおしゃべりルームは団体交流が目的でしたが、今年度はテーマを設定して関心のある団体や個人が集まって率直な意見交換を行います。
 答えを導いたり、講義形式で教えてもらったりするのではなく、意見交換することで新たな視点や考えを得られる交流会です。
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◆報告
 2024年8月25日(日)、市民活動支援センターにて「市民活動のおしゃべりルーム~ヤングケアラー~」を開催しました。
 今回のテーマはヤングケアラーです。当日は10名の方が参加され、中日新聞の取材もありました。
 参加者は、ヤングケアラー支援団体(支援者であり元当事者)、傾聴ボランティア団体、グリーフケア団体、学習支援団体、町内会長、社会福祉協議会職員、中学校のこころの相談員、カウンセラー、精神科医など様々な方々でした。

●ヤングケアラーの子どもやその家族、周囲が気付くにはどうしたらいいのか、必要な支援につながるにはどうしたらいいのか、様々な意見がありました。

【まずは理解が必要】
・子どもがやっていることが悪いことではないし、親が悪いわけでもない
・家庭のことなので子どもに悪いことだと思わせたくない
・子どもとしては勉強する時間や自分の時間が欲しいという気持ちがある
・子ども自らが支援を受ける場へ来られない
・ヤングケアラーと言われるのは嫌な場合もある
・家庭内には入り込めないこともある
・親に制度の話をしても世間体を気にして嫌がることもある
・18歳未満の子どもだけで夜間を過ごすことはネグレクトとなる(法律で禁止)
・法律が変わり知らない人も多い。→知らなかった。周知が弱い。
・子ども自身がヤングケアラー支援対象であることにショックを受けるリスクがある

【事例、理由は様々】
・核家族化、祖父母などの大人に子どもを預けられない
・シングルなど家族状況、夜の仕事をする親の保育園事情など
・外国人の親の通院に子どもが学校を休んで通訳として付き添う
・お風呂に入れない、ご飯が出てこないことは他の家庭と違うと小学校低学年の時に友達との関わりの中で知った
・ヤングケアラーとして子ども時代を過ごすと人間不信になる、支援が入った時にはもう大人
【ヤングケアラーに気付くために、必要な支援とは?】
★広報・環境づくり
・ヤングケアラーについての周知、時間はかかるが知ることが大事
・認知症サポーターのように動けるかたちがあると良い
・大阪のとある小学校には「生きる授業(教育)」がある
・子どもが助けて下さいと声をあげられる環境
・理想かもしれないがまち全体での居場所があると良い
・ネグレクトについて学校にポスターが貼ってあるがわかりにくい
★教育
・子どもが小さいうちからヤングケアラーについて、制度や役所の手続きの方法など教えてあげるような社会教育支援
・福祉の授業は主に身体障害のみ。発達障害も検討中。ヤングケアラーも追加可能かも(小中学校への拡がり期待)
★見守り・つながり
・行政は守秘義務があり本人の同意が必要なため、すぐに介入できないこともある
・信頼関係を作ることが大事(おせっかいもいいのでは?)
・町内会が消えつつあり、深入りしない家庭も多い
・町内会で地域の高齢者×子どもの見守りマッチングを(現役世代は仕事で忙しい。高齢者も認知症防止に)
・町内会とNPO法人団体や市民活動団体がみんなで連携(実験など歓迎)

●参加者より未来に向けてのキーワード
★広報・環境づくり
・外に向けての認知、周知
・SNS発信(子ども、親にも)
・一宮版のポスターを作ってもいいのでは
・ヤングケアラーに興味を持った人が会話できるチャンネルづくり
★教育
・子どもがわがままに生きられる(許される)、そのままでいい・・・という地域や社会
・子どもに生きる力をつける
★見守り・つながり
・ヤングケアラーが悪いわけではなく、困ったときに助けてほしいと言えるように
・(子どもに)一声かけられる自分になりたい
・町内で知識を!
・見守り隊は必要
・支援ではなく寄り添う存在に
・話を聴くことは任せて

●参加者の感想
・普段会えない人と出会えた。刺激になった。
・ヤングケアラーの自覚は難しいのかなと感じた。
・旗振りシニアをやっている。少しでも見守れたらと思った。でも旗振りシニアも減っている。
・ヤングケアラー、奥深く勉強になった。
・引き続きしっかりと子どもたちの話を聞いていきたい。
・ケースの関わり(仕事で担当)に今日の話を活かしていきたい。
・周知には時間がかかる。ゆっくり拡がること、親も子も認めながら…が大事。
・今日のつながりに感謝!

●アンケート
・様々な立場の方といろいろな視点で話を聞くことが出来た
・みんなおせっかい屋さんで気持ちよかった
・自由な意見交換で否定することがなかった
・ヤングケアラーについて真剣に考え、行動する方々がいることを知ることができた
・広い範囲で行けんを聞くことができてとても良かった
・いろいろな想いの人とつながれた
・次回はヤングケアラー体験談を聞きたい
・司会進行もよかった
・心の中に止めておいていつでもとりだせるようにしたい
・場違いを感じたが温かく接してくれてうれしかった
・広く知られて多くの人に利用していただきたい
・いろいろな会の方と知り合う良い機会だった
・このような場に慣れず話す機会を逃してしまうが、他の会とつながりが持てた
・ヤングケアラー問題とは?

●参考:こども家庭庁ホームページ「ヤングケアラーのこと」
ヤングケアラーのこと|ヤングケアラーを知っていますか?|ヤングケアラー特設サイト (cfa.go.jp)

●主催「一宮市市民活動支援センター」より
いろいろな立場、視点で意見を出し合い、誰の意見も否定しない良い会でした。交流会後には名刺交換をしたりお話をしたり、それぞれに交流されていました。
ヤングケアラーをテーマにしたおしゃべりルーム、第2回目の開催も検討中です。
(安田・今福)

●2024年8月27日(木)中日新聞掲載
センター内に掲示していますので、ぜひご覧ください!

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