NPO法人生活助け合い・ねこの手ネットに訪問しました。

2024年度訪問事業訪問No.305-15
訪問先:NPO法人生活助け合い・ねこの手ネット
日時:2025年1月21日(火)(訪問スタッフ:安田)

千秋病院内にある「NPO法人生活助け合い・ねこの手ネット」に訪問。法人を立ち上げた理事の藤嶋さんと代表理事の大西さんにお話を伺いました。

●NPO法人生活助け合い・ねこの手ネットとは?(いちのみや市民活動情報サイトより)
広く生活助け合いの要求がある高齢者等に対して、日常生活の援助と権利擁護支援の事業を行い、生活の自立及び社会活動への参加を重視して、地域社会で健やかに楽しく暮らすことによって、生活と福祉の向上に寄与する活動と、1人暮らしで身寄りのない高齢者が安心して生涯を送ってもらえるよう身元保証等の支援活動をしています。
活動内容は、高齢者の家事援助や助け合い外出支援活動、1人暮らしの高齢者(身寄りのない)の身元保証及びやすらぎ支援を行っています。
https://www.138npo.org/info/group/kihon.php?group_id=200

●活動をはじめたときや法人設立の想い(理事 藤嶋さん)
約40年前、地域住民の方々の「親切でだれでもかかれる自分たちの病院をこの地域につくろう!」という想いを受けて、医師の佐野正純さんが旗揚げし、2000年前後に千秋病院が開院しました。
当初、地域住民メンバーとして開院に向けて話し合いに参加したことや院長とのご縁もあり、しばらくして千秋病院内の尾張健康友の会事務局長に就くことになりました。地域の方々と関係を継続していく中、通院のためにバス停までが歩けない方がいらして、バスを走らせるだけでは解決できない課題があることに気づきました。
地域の方々の悩み、陸の孤島を少しでも解消できるようにと2005年8月にNPO法人生活助け合い・ねこの手ネットを設立。「猫の手も借りたい!」という想いも含めて名付けました。

  

●発足約20年。現在まで活動の変遷について(代表理事 大西さん)
会員登録制度(年会費3000円)で、2025年2月21日(火)現在の利用登録者数は1075名、利用者は175名です。法人として車は所持しておらず、ボランティアドライバーさんの自家用車で送迎を行っていただいています。
有償ボランティアドライバーは、年代は80代~50代と高齢化が進み、20名ほど登録がありましたが、コロナ禍後には10名ほどになりました。ボランティアを希望されても、免許証返納や家族から「危険」「責任持てるのか」とのご意見もあり、人員確保が難しい状況です。
資金面では、以前、一宮市の補助金制度「市民が選ぶ市民活動支援制度」を申請しました。車に関する法律が変わって厳しくなり、その際は一宮市職員さんに親身に相談に乗っていただきました。
現在は寄付金や会費で運営していますが、車の所持はしていないというものの、最低賃金が上がって厳しい状況ではあります。
運転する側、乗車する側とお互い高齢者同士だからこそ理解できる部分もあり、「会話が安心できる」「若い人がいいけど運転が粗い」「高齢者の方が慎重に運転している」「運転がゆっくりで丁寧」などメリットもあります。高齢者になると動けない、まずバス停まで行けないことも多々あり、今も変わらず陸の孤島がありますので、優しく助け合っていけたらと思っています。

  

●活動の中で印象的だったエピソードは?(理事 藤嶋さん)
施設で寝たきりの奥様の元に車いすのご主人を送って別れの場に立ち会ったり、80代の視覚障害者の方が一人で一宮から関東へ出向いたときは警察沙汰になり関東まで迎えにいったりしたこともありました。運営している中で、送迎だけの付き合いだけでなく、心と心がふれあう時間もたくさんあります。
他市町からの視察もある中で、高齢者や障害者の外出支援活動について全国の調査を詳しく調査されている方が、ねこの手ネットみたいに活動はできないと断念されたお話もありました。
少しだけでもうるおいを一緒に、利用者さんからの「ありがとう」が生きがいで継続できています。

●活動上の課題や困りごとは?(代表理事 大西さん)
利用者さんに対してやれることが限られてジレンマもありますが、責任を持ってやっています。
利用者さんにこたえるためにも、担い手問題について切迫していますので、ボランティアさんを急募しています。女性ドライバーさんも活躍中ですので、ぜひご連絡お待ちしております。

●今後の展望は?(理事 藤嶋さん、代表理事 大西さん)
ねこの手ネットには配車専門の在籍15年の事務方2名が、利用者さんとドライバーをつないでいます。送迎時間の相違などトラブルも時折ありますが、支援する側として常に利用者さんに寄り添っています。
これまで大きな事故や問題もなく活動してきましたし、始めたことをやめられない状況でもあります。
飛躍的なアイデアはありませんが、地道に一生懸命活動していると誰かが見ていてくれると思いますので、引き続き事故なく安全に利用者の皆さんを送迎したいと思っています。

●団体を訪問して(スタッフ安田)
藤嶋さんには40年前にさかのぼって当時の想いを、代替わりして代表理事を務める大西さんには現在の運営についてお話を伺いしました。
「高齢者の足」については、わたくしたちの世代も他人事ではありません。後期高齢者の家族の免許返納に直面していますし、バス停までの徒歩やタクシーの配車状況などの問題、仕事や家事育児をする世代には頼みにくいという想いもあるようです。
一宮市は名鉄バス、i-バス、JR、名鉄電車、そしてタクシーと公共交通機関が充実している方かと思いますが、路線縮小などもあり「陸の孤島は無い!」と言い切れません。
こうした話をお聞きすることで、対価を払って他人様にお願いした方が気楽で頼みやすいこともあるかと思いますので、ライドシェアについて情報収集や取り組みなど学んでいきたいと思いました。

 

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