【報告】2024年度NPO現場見学ツアー「多様な人々が集う地域拠点」バス・電車・歩き編
11月29日(金)2024年度NPO現場見学ツアーの報告をいたします。
・当日のスケジュール:https://www.138cc.org/info/?p=5889#comments
・参加者:14名(同行スタッフ含む)
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1)「地域の縁側グリーン・ラソ」と「地域の縁側ラソ・プラザ」
(講師:認定NPO法人絆・代表理事の山﨑紀惠子さん)
■グリーン・ラソ、ラソ・プラザについて
グリーン・ラソはコミュニティセンター、児童館、ボランティアセンターが同じ敷地内にあり、ラソ・プラザはアイプラザというスーパーの中の一角にあります。どちらもお茶や食事ができる喫茶店のようなお店ですが、飲食ができるだけでなく、地域の方のためのさまざまな取り組みやイベントが開催されています。それぞれの立地を生かしながら、地域の方が気軽に立ち寄ることができる居場所です。特定の方を対象とした公的制度を利用していないので、年齢も障がいも病気も関係なくみんなが利用できます。
75歳のヘルパーさんの「私の居場所を作って」という一言が居場所づくりのきっかけになったとのこと。その方はお元気で病気や介護認定等がなく集まれる場所がないと山﨑さんにお話しされたそうです。
■見学の様子
グリーン・ラソではそれぞれ好きな飲み物を注文し、出していただいたおやつをいただきながら山﨑さんのお話をうかがいました。
※グリーン・ラソ内の様子
※グリーン・ラソ外観。木製の縁側はコンペを開催し(当時)名城大学の学生さんのデザインを採用、学生さんと地域の人たちと一緒に作ったそうです。
※グリーン・ラソの日々の取り組みやイベントは利用される方の「あったらいいな」「これやりたい!」の声が取り入れられているとのこと。
※ラソ・プラザ内の様子
※ラソ・プラザが入っているアイプラザ。近くに団地や住宅地があります。買い物ついでに立ち寄りやすいですね。
※ラソ・プラザの取り組みの1つ「宿題塾(火曜~金曜15:30~17:30)」は地域の子どもたちが宿題を持って集まります。塾といっても0円。先生はおらず、見守りのおじちゃんやおばちゃんがいて、子ども同士多世代で教え合います。宿題のあとはおしゃべりやカードゲームで遊ぶ時間とのこと。
※ツアー当日のランチはラソ・プラザの「はなきんランチ」。手作りで栄養バランスの取れたメニュー、これで600円です!味もとても美味しく大満足でした。写真は普通盛りですが、ごはん大盛り無料です♪
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2)「半田市創造・連携・実践センター(通称:コココリン)」
(講師:一般社団法人はんだのたね(※指定管理者)・事務局長の池脇啓太さん)
■コココリンについて
JR半田駅と名鉄半田駅の間の中心地にあり、中心市街地活性化、コミュニティ、創業支援にポイントを置いた半田市の施設です。コココリンには誰でも気軽に立ち寄れるカフェ、コワーキングスペース、レンタルオフィス、交流スペースがあります。
以前、中心地を整備して半田市の人口が増加するも、整備前にあった店舗が一部戻ってこない等の状況があり、JR半田駅東側の再整備とともにまた中心地を再整備することになったとのこと。「自分達が誇れる町にしよう」「10か月後に建物を建てる」というゴール(目標)を立て、地域の人たちにとって知らない間にできた建物にならないよう、地域の人たちの自分事になるようワークショップを開催する等、地域の人を巻き込んで楽しむことを意識されたそうです。
■見学の様子
コココリンの見学はJR半田駅前からスタート。池脇さんが半田市の再開発についてお話してくださり、みんなでコココリンへ移動しました。
※JR半田駅前でお話をうかがっている様子
※JR半田駅東側、再開発の様子
※コココリンの前。ここを通り抜けると隣の道路へ行けるような設計になっています。知らない人でも通り抜けられるように、新たな道路ができたような感じで人が吸い込まれるように入っていくことをイメージしているとのこと。今回の再開発には緑を入れたいと話す池脇さん、交流スペース(写真の砂利や芝部分)はこれから花を植えるなど緑化していくそうです。
※コココリンのイメージ図
※開発の対象地域をコンパクトに分割し、全体のみらい、分割したそれぞれの地域のみらいを考え、それぞれの個性に合わせて開発を進めているとのこと。
※カフェ、コワーキングスペースのある建物内。自然光がたっぷり入り、室内に天井まで届きそうな木が!天井はメンテナンスしやすく低コストという理由でスノコを使用しているとのこと。
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※講師の山﨑さん、池脇さんのお話の中で、同行スタッフ今福が気になった市民活動や地域づくり拠点のヒントになると感じたお話を抜粋しています。気になる方はご覧ください。(コチラ→pdf)
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■参加者の声(抜粋)
・「福祉」の幅の考えを広げ、多数の行っている障害者福祉だけでなく、巻き込む人を増やし、マイノリティの人が置き去りにされていないまちづくりの福祉を感じた。
・地域の方々とアイデアを出し合い、また利用者の皆さんの意見を尊重しながら活動を発展させているところが、とても好ましいと思いました。
・ワークショップから意欲のある住民を巻き込み、規模を増やすことが重要であるとわかった。
・行政が出しゃばり過ぎず、かと言って市民に丸投げするわけではなく、適度に距離を取りながらサポートしているようで、良い感じでした。
・市民が関わりやすい工夫がなされていると感じた。都市計画と聞くと堅苦しく取っつきにくいが、ワークショップなどでもしかしたら変わるかもしれないと実感できると意見も出やすくなると感じた。
・まちづくりには定型の正解はなく、各地域の実情に合わせて、臨機応変に取り組むことが大切だと、改めて思いました。